「家の壁が剥がれた!」どうする?|原因と修理費用相場
気付いたら家の外壁が剥がれていたという経験はありませんか?
壁の剥がれは表面の劣化だけではなく、内部からも進行することがあり、その原因には「施工不良」や「経年劣化」などがあります。
今回は壁が剥がれる原因や、外壁材&塗料の耐用年数の目安、剥がれた場合の修理費用の相場などについてご紹介します。
ぜひ参考になさってください。
目次
1.家の壁が剥がれた! 剥がれの種類と見分け方
家の壁が剥がれる主な原因は「施工不良」と「経年劣化」の2種類に大別されます。
それぞれをくわしくご紹介していきます。
施工不良の場合
施工不良による壁の剥がれの原因には、「直張り工法」や「下地処理による不具合」「下塗りや乾燥不足」「補修せずに塗料施工」などが挙げられます。
直張り工法では、壁内部に雨水などが侵入すると内部に留まってしまい、結露などの原因になります。
施工の際の不適切な下地処理や乾燥不足など、適切な施工を行わなかったときにも、その後の外壁工事や塗装工事の仕上がりに影響があり、劣化が進むことがあります。
経年劣化の場合
経年劣化による壁の不具合は少なくありません。
外壁は日々風雨や紫外線にさらされていますので、耐用年数が過ぎるころにはひびや割れなど壁の剥がれにつながる不具合が発生しやすくなります。
また、湿気が多いなど、外壁がおかれている環境によっては耐用年数よりも劣化が早まることもあります。
経年劣化の進行とサイン
経年劣化がどれくらい進行しているか、自身でも見た目で判断できるポイントがあります。
代表的な劣化のサインは「チョーキング」です。
チョーキングとは、窯業系サイディングなどの表面が粉末状になるもので、触れると白っぽい粉が付着します。
次に、ヘアクラック、乾燥クラック、構造クラックの順に劣化が進行します。
ヘアクラックは文字通り髪の毛のように細いひび割れです。表面だけに表れていることも多いです。
乾燥クラックはさらにひびが広がった状態であり、構造クラックは見た目にひびがわかり深さもあるため雨水などが内部に侵入している状態です。
そのほかの劣化のサインは、シーリングのひびや外壁のカビ、コケ、黒ずみなどがあります。
カビやコケなど湿気を含みやすい環境にあることで、外壁の浮きや剥がれにもつながりますので注意が必要です。
2.外壁材や塗料の耐用年数と劣化診断
外壁材や塗料材は経年劣が避けられません。
では、どのくらいの耐用年数になるか素材ごとに確認していきましょう。
外壁材の耐用年数
外壁材といえばサイディングが多いでしょう。そのほか、モルタルやタイルなどがあります。
以下は「素材そのものの耐用年数」となります。
「表面の塗装」についてはより早いサイクルで劣化しますので、専門家の判断による適した年数ごとにメンテナンスが必要です。
外壁材の種類 | 耐用年数 |
窯業系サイディング | 約30~40年 |
金属系サイディング | 約30~40年 |
モルタル | 約30年 |
ALC | 約50年 |
タイル | 約30~40年 |
塗料の耐用年数
外壁材に施工する塗料は、種類によって耐用年数が異なります。
塗装が劣化すると外壁材に雨水などがしみ込んでしまうため、メンテナンスを定期的に行いましょう。
塗料の種類 | 耐用年数 |
アクリル | 約5~7年 |
ウレタン | 約8~10年 |
ラジカル | 約11~15年 |
シリコン | 約7~15年 |
フッ素 | 約15~20年 |
無機塗料 | 約20年~ |
防水工事の耐用年数
防水工事は一般的には屋根やベランダなど、濡れやすい環境にある場所で施工することが多いものです。
風雨から保護することで経年劣化の進行を最小限にする効果があります。
防水の種類 | 耐用年数 |
ウレタン防水 | 約8~13年 |
アスファルト防水 | 約15~20年 |
シート防水 | 約10~15年 |
FRP防水 | 約10~12年 |
劣化診断はサーモグラフィーによるがおすすめ
劣化の程度を判断するには、赤外線サーモグラフィカメラがおすすめです。
見た目だけではわからない外壁の漏水状態や剥離、断熱不良などが容易に診断できます。
温度差なども表示されますので、壁内部の状態も診断可能です。
3.家の壁が剥がれた場合の修理費用相場
外壁が剥がれたときの修理方法としては、部分的な補修と全体的な補修と2通りの方法があります。
それぞれの費用相場をご紹介します。
部分補修
部分的な補修で対応できる場合の費用相場です。
補修の種類 | 費用相場 |
モルタル補修(下地別) | 3,400円~7,000円/㎡ |
モルタル下地処理 | 4,500円~5,000円/㎡ |
シーリング補修 | 10,000円~50,000円/箇所 |
シーリング打ち替え | 800円~1,300円/m |
シーリング打ち増し | 700円~1,100円/m |
足場代 | 800円~1,200円/㎡ |
全体塗り替え
外壁が全体的に劣化している場合は、外壁塗装となることがあります。
塗装の費用相場は下記の通りです。
塗料の種類 | 費用相場(30坪の場合) |
シリコン塗料 | 90万円~120万円 |
フッ素塗料 | 100万円~150万円 |
一部だけ剥がれた場合はDIYで直せる?
部分塗り替えであっても、必要な手順は全体塗り替えとあまり変わりません。
塗装は古い塗装の上からそのまま塗っても密着しないため、DIYで直そうと自分で塗料を上塗りした場合に、補修できたと思っていたら隙間から雨水が侵入していて、長い時間をかけて内部で被害が拡大してしまったということもあります。
また業者に頼んだ際に、DIYで直した部分について余分な手間が発生して追加料金となる可能性もあります。
業者によっては無料診断なども行っていますので、たとえ剥がれているのが一部であっても、まずは専門家に相談してみることをおすすめします。
4.まとめ
今回は、壁が剥がれる原因や外壁材&塗料の耐用年数、補修する場合の費用相場などについてご紹介しました。
外壁は外側の見た目だけでは、劣化がどの程度進行しているかわかりにくいものです。
壁が剥がれた場合はメンテナンス経験が豊富なプロに診断してしてもらい、被害が軽いうちに対応することをおすすめします。