雨漏りの原因トップ10|応急処置と修理の費用相場
雨が降った日や翌日に、天井や壁にシミができたりすると「どこからか雨漏りしているのでは?」と気になりますよね。
雨漏りといえば真っ先に思い浮かぶのは「屋根」ですが、実は外壁や窓枠まわり、ベランダなど、屋根以外が原因になっていることも多いものです。
そこで今回は、雨漏りの原因として多い箇所のご紹介や、修理する場合の流れ、修理費用の相場などについてお伝えします。
対処法がわからず悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
目次
1.雨漏りの原因トップ10
はじめに、雨漏りの原因となる箇所のトップ10をご紹介します。
屋根以外にも雨漏りを引き起こす箇所がたくさんありますので、しっかり確認しましょう。
①外壁(ひび割れ)
外壁の「ひび割れ」は雨漏りしやすい箇所です。
特にモルタル壁の場合は、地震の揺れや経年劣化などによりひび割れ割れが起きていることが多く、5ミリを超える割れ目があると隙間から水が侵入しやすくなります。
ご自宅の外周りをチェックしてみましょう。
②外壁(シーリングの劣化)
「シーリングの劣化」も雨漏りの原因になります。
シーリングは、外壁材として多く使用されているサイディングの継ぎ目によく使われています。
サイディングそのものには耐久性があっても、シーリングが劣化してひび割れを起こしてしまうと、そこから雨が侵入してしまうのです。
シーリングは打ち替えなどの定期的なメンテナンスが必要です。
③窓枠・サッシ
窓枠・サッシ周りは、外壁との接点があることから隙間が生まれやすい箇所です。
雨漏りの原因のひとつは窓周りのシーリングの劣化です。
上述でも触れた通り、シーリングには定期的なメンテナンスが必要です。
また、窓・サッシのパッキンの不具合でも雨漏りが発生することがあります。
特に天窓は屋根に取り付けられているため、隙間を伝って雨水が室内に侵入するリスクは高いといえます。
④屋根(板金)
金属製の屋根材の場合、経年劣化でサビがひどくなると穴があいてしまい雨漏りの原因になります。
劣化程度は立地条件により異なります。
雨漏りするほどのサビが発生していると補修だけでは難しくなりますので、サビがひどくなる前に、定期的に塗り替えなどのメンテナンスが必要です。
⑤屋根(屋根材のひび割れ、ずれ)
地震や台風などによって生じた屋根材のひび割れやずれから雨漏りが発生することもあります。
スレートや瓦材などは強風による飛散物が当たると割れることもありますし、風そのものでずれを起こすこともあります。
高所にあるため普段は気づかないケースもありますので、雨漏りしたときは点検してもらうとよいでしょう。
⑥屋根・外壁(釘穴、ビス穴)
屋根や外壁は施工の際に、多くの釘やビスが使われています。
経年劣化により腐食がはじまると釘やビスがゆるんで隙間ができ、雨漏りが発生するケースがあります。
表面からの目視ではわかりにくい箇所でもあるため、雨漏り原因が特定できないときは、専門家にサーモグラフィ画像などで確認してもらいましょう。
⑦ベランダ(防水層のひび割れ)
ベランダの床は防水層で覆われているのが一般的ですが、紫外線や風雨にさらされているため、劣化しやすい箇所です。
劣化が進むとひび割れが発生し、防水機能が低下して雨が侵入しやすくなります。
ベランダのひび割れ箇所から侵入した雨水が建物内部を伝って、思わぬところから雨漏りすることがあります。
⑧ベランダ(排水ドレンの劣化)
ベランダの排水ドレンの劣化も雨漏りの原因になります。
錆びたりゴミが詰まり腐食したりすることで、水漏れしやすくなります。こまめに掃除するなどメンテナンスが必要です。
⑨ベランダ(手すりやつなぎ目の隙間、シーリングの劣化)
手すりと外壁の接点は、シーリングの劣化でひび割れが起こると雨が侵入しやすくなります。
屋根よりも張り出した部分は風雨にさらされているため注意が必要です。
⑩雨どい
雨どいからの水漏れにより、建物内に雨が侵入することがあります。
本来なら雨どいの中を流れる雨水が屋根や外壁に漏れてしまうと、雨漏りの原因につながります。
2.雨漏りではない可能性も!
屋内が濡れている原因は、雨漏りだけではありません。
実際には、給排水などの配管の不具合やエアコンの排水管からの水漏れであるケースも考えられます。
また、結露によって水分が発生することもありますので、しばらく天気が良くても水で漏れているときは、別の原因を確認することをおすすめします。
3.修理の流れ
雨漏りが起きてしまったときは、どのような対処をすればよいのでしょうか。
ここからは、すぐにできる応急処置や業者などへの連絡する際のポイントや流れなどをご紹介します。
雨漏りの発見と応急処置
雨水がどこから入っているか、侵入箇所を特定できている場合、該当部分をビニールシートで被います。
ただし、自分で屋根に上がって処置するのは危険ですので絶対にやめましょう。
雨水が落ちてくる箇所には、バケツやたらいを置きます。
広範囲である場合や、雨水の量が多いときは衣装ケースやビニールプールなどを置いて、ほかの場所に雨水が流れていかないようにしましょう。
バケツやたらいを置くときは、水はね防止として下にビニールシートを敷きましょう。
これらはあくまで応急処置であるため、同じことが起きないように業者に修理依頼することが大切です。
特に屋根からの雨漏りは、自分で屋根に上がり点検や応急処置をするのは大変危険ですので絶対にやめましょう。
台風のあとや梅雨時は依頼が混みあう場合がありますので、雨漏りに気づいたらなるべく早く業者に相談しましょう。
業者によっては応急処置の仕方を教えてくれる場合もあります。
自分で対処してもうまくいかない場合は相談しましょう。
修理業者に連絡
雨漏りを発見したら応急処置をしてすぐに修理業者に連絡します。
「どのような雨漏りが発生しているのか」「どれくらいの量なのか」など、できるだけくわしく伝えるとよいでしょう。
条件によっては火災保険が適用される場合もあるため、被害状況がわかるように写真を撮っておきましょう。
雨漏り診断
修理業者は「雨漏り診断」でどの部分を修理すればよいか判断します。
雨漏り箇所を特定する方法のひとつは散水調査です。
外から水をかけてどこから漏れるのか目視で確認します。
このほか、赤外線サーモグラフィやファイバースコープカメラなどを使い、隙間の状況を調べることが可能です。
また、屋根など高所部分にはドローンを使った診断方法もあります。
修理
屋根が原因の雨漏りなら、漏れている箇所の屋根を補修します。
範囲によっては葺き替えで屋根全体を交換することもあります。
外壁やサッシ周り、ベランダ周りなどシーリングの劣化が原因のときは、シーリングをはがして打ち直します。
モルタルのひびの場合にはひび割れ補修や防水処理を施すことが多いでしょう。
4.雨漏りの修理費用相場
最後に、雨漏り修理の費用相場と、火災保険の適用についてご紹介します。
費用相場
雨漏りの主な原因と、修理の費用相場の一覧です。
雨漏りの原因 | 修理の費用相場 |
屋根(金属)破損 | 150,000円~ |
屋根材の部分的な割れ、ひび割れ | 15,000円~ |
窓・サッシ周り | 30,000円~ |
ベランダ(防水層、手すり周り) | 100,000円~ |
外壁(ひび割れ、シーリング材) | 30,000円~ |
雨樋の破損 | 15,000円~ |
水道設備(配管不具合) | 10,000円~ |
結露 | 30,000円~ |
火災保険が使える?
火災保険が適用される雨漏りは、自然災害が要因となって発生したものに限ります。
そのため、経年劣化による雨漏りで保険を使うことはできません。
中には、火災保険が使えるという営業トークで修理を勧める業者がいますので気をつけましょう。
延長瑕疵保険とは?
新築の際に瑕疵担保保険に加入した方もいるでしょう。
施工が要因となる雨漏りは瑕疵担保保険に該当する可能性がありますが、通常の瑕疵担保保険は10年です。
しかし、雨漏りリスクの統計によると最も発生しやすいのは新築2年目までと、その後15年以上経ってからといわれます。
瑕疵担保保険の10年が終了したあとにもリスクがあるということです。
なお、10年以降も保証を続けられる延長瑕疵担保保険があります。
保険会社にもよりますが、同じ条件でさらに10年延長できます。ぜひ検討してみましょう。
5.まとめ
今回は、雨漏りの原因ランキング上位10項目のご紹介と、雨漏りの対処法、修理依頼の流れや費用相場などについてご紹介しました。
雨漏りはすぐに対処しないと、被害がどんどん広がってしまう恐れがあります。
また、建物だけではなく家財を濡らしてしまうと被害も大きくなりがちです。
早めの対処と修理依頼をすることで、最小限の負担で済む可能性があります。
雨漏りを発見したら、なるべく速やかに雨漏り診断をしてもらい、しっかり対応できる業者に依頼しましょう。