地震のあとの外壁のひび!修理費用はいくら?保険は使える?

「地震で外壁にひびが入ったけれど、どうすればいいの?」
「ひびの補修にはどれくらい費用がかかるの?」
「地震でできたひびに、火災保険は使えるの?」
近年大小さまざまな地震が頻発していることから、このようなお問い合わせが増えています。
外壁は、家を風雨から守る鎧のような存在なので、ひびが入ったままだと気になりますよね。
そこで今回は、地震でどのような場所に、どういったひびが発生しやすいのかを、補修方法や費用とあわせてご紹介します。
目次
1. 地震のあとにひびができやすいのはどんな場所?|場所別の主な状態

地震が発生すると、通常では起こり得ない負荷が家にかかるため、思わぬひび割れができることがあります。
ここでは地震後にひびができやすい主な場所と、症状をご紹介します。
窓サッシ周辺
地震のあとには、窓サッシの周辺、特に上下左右の角にあたる部分から斜め方向に向かって外壁にひびが発生することがあります。
窓サッシや扉などは、「開口部」と呼ばれます。
開口部には壁がないため、ほかの部分よりも負荷がかかりやすいのが特徴です。
構造上の問題なので、地震に際して起こる開口部周辺の外壁のひび割れは、防ぐのが非常に難しいとされています。
モルタルの広い面
外壁がモルタルで仕上げられている場合、地震が発生すると外壁の広範囲にひびが入る可能性があります。
モルタル外壁は、下地材に防水紙やラスと呼ばれる金網を張り、その上からセメントに砂と水を混ぜて作るモルタルを塗りつけて仕上げられています。
そのため地震の揺れが強かった場合には、防水紙やラスが振動することで、塗りつけられたモルタルにひびが入ってしまうのです。
いわき市のH様から、中古住宅の内装リフォームと外壁塗装のご依頼をいただきました。
H様邸の外壁塗装では、塗料にこだわり、特殊な膜厚の伸びる防水仕様の塗料を使用したため、今後のひび割れ対策にもなり安心です。
▶モルタル壁のひび割れに対応した施工事例・お客様の声はこちら
シーリング
地震発生時には、シーリングにもひびが入ったり、外壁剤との間に隙間が生じたりすることがあります。
シーリングとは、雨水の侵入を防ぐために、外壁材の接合部に充てんされている素材を指します。コーキングとも呼ばれます。
合成樹脂であるポリウレタンや、シリコーンが利用されることが多く、接合部が多少動いても追従できるよう、弾力のあるゴム状となっているのが特徴です。
しかしシーリングは、施工後直射日光にさらされ、経年劣化するうちにどんどん硬化していきます。
硬化したシーリングは弾力がないため、地震の揺れで外壁材が動いたときに追従できずにひび割れてしまうのです。
サイディングの釘まわり
外壁がサイディングで仕上げられているときには、地震に際して釘のまわりにひびが入ることがあります。
厚さ14mm以下のサイディングは、胴縁と呼ばれる木材の上に、釘を使って打ち付けられています。
スクリュー釘が使用されしっかり打ち付けられているので、地震が起きたときには釘は胴縁と一緒に動きます。
しかしサイディングが追従できなかったときには、釘のまわりに負荷がかかってサイディングにひびが入ってしまうのです。
特にサイディングの端部分は数センチのところで釘打ちされていることが多く、ひびが入るだけでなく欠け落ちてしまうこともあります。
2. 修繕方法と費用相場

地震のあとにひびが発生しているときには、どのような修繕方法があるのでしょうか?
考えられる方法と、費用相場をご紹介します。
シーリングによる補修
外壁のひび割れの最も簡単な修繕方法は、ひびが入った箇所にシーリング材を充てんすることです。
ヘアークラックと呼ばれる0.3mm以下の細かなひびには、そのままシーリング材をすり込む「シール工法」を行います。
0.3mm以上のひびの場合は、外壁のひび割れ箇所をU字またはV字にカットしてシーリング材を充てんする「U(V)カットシール工法」で対応します。
シーリング材は弾力があるので、ひび割れに追従するのがメリットです。
シーリングによるひび割れ補修にかかる費用の目安は、以下のとおりです。
工法 | 費用目安 |
---|---|
シール工法 | 700円/m |
U(V)カットシール工法 | 1,400円/m |
シーリング+塗装
シーリング材を充てんしただけだと、シーリングが目立ち見栄えがよくありません。
シーリングは色がある程度限定されており、外壁の色から浮いてしまうためです。
そのためあわせて塗装を施すことで、補修あとを目立たなくできます。
シーリング+塗装でひびの補修をする場合には、シーリングによる修繕費用に、以下の塗装費用をプラスします。
塗装費用は塗料によって異なりますので、あくまで大まかな目安となります。
建物の延べ床面積 | 費用目安 |
---|---|
20坪(約80㎡) | 約50万4,000円 |
30坪(約120㎡) | 約73万1,000円 |
40坪(約160㎡) | 約97万2,000円 |
50坪(約200㎡) | 約128万2,000円 |
外壁の張り替え
外壁のひびが広範囲の場合、シーリングで修繕しても強度を保てません。
そのため外壁の張り替えを検討するほうがよいでしょう。
外壁の張り替えは、新しく張る外壁の種類によって費用が異なります。
サイディングに張り替える場合の材料費の相場は、以下のとおりです。
サイディングの種類 | 材料費目安 |
---|---|
窯業系サイディング | 4,000円~6,000円/㎡ |
金属系サイディング | 5,000円~7,000円/㎡ |
木質系サイディング | 7,000円~10,000円/㎡ |
樹脂系サイディング | 10,000円~13,000円/㎡ |
上記のほかに、既存外壁の撤去や足場の設置に費用が発生します。
施工内容 | 費用目安 |
---|---|
足場代 | 800円~1,000円/㎡ |
既存外壁材撤去 | 2,000円~4,000円/㎡ |
張り替え工賃 | 3,000円~4,000円/㎡ |
シーリング施工費 | 1,000円~1,300円/m |
施工する外壁面積が100㎡とした場合、おおよそ100万円~200万円程見込んでおく必要があります。
既存の外壁にアスベストが使用されているケースでは、撤去に際し特別な処理が必要なため、さらに費用がかかる点には注意しましょう。
外壁の上張り
既存の外壁にひびが入っているものの、下地がしっかりしている場合は、外壁を上張りする「カバー工法」を行える可能性があります。
カバー工法では既存の外壁を撤去する作業が不要になるので、張り替えよりもコストを抑えて新しい外壁に刷新できるのがメリットです。
カバー工法は、既存の外壁にさらに外壁を重ねることから、家全体の重量が重くなり耐震性が落ちる可能性があります。
そのため軽量な金属系サイディングを使用するのが一般的です。
外壁の上張りによる修繕にかかる費用の目安は、以下のとおりです。
施工内容 | 費用目安 |
---|---|
金属系サイディング | 5,000円~7,000円/㎡ |
足場代 | 800円~1,000円/㎡ |
張り替え工賃 | 3,000円~4,000円/㎡ |
シーリング施工費 | 1,000円~1,300円/m |
施工する外壁面積が100㎡の場合で、おおよそ80万円~180万円程見込んでおくとよいでしょう。
3. ひび割れの補修に火災保険は使えるの?

地震によって外壁にひび割れが発生した場合に「火災保険が使えるの?」という質問をいただくことがあります。
地震によるひび割れは、火災保険に地震保険が付加されていれば対象となる可能性があります。
まずは加入している火災保険の内容をチェックしてみましょう。
地震保険について詳しくは、以下の記事をご参照ください。
もしひび割れが保険で保証される場合でも、申請に必要な被害状況のわかる写真や書類が欠けていると保険が下りないことがあります。
志賀塗装では、申請に必要な調査から書類の作成をお客様と一緒に行っております。
4. まとめ

地震により外壁にひび割れが入った場合は、放置しているとそこから雨水がしみ込み、家の構造にまで悪影響を及ぼす可能性があるためできるだけ早く補修が必要です。
ひび割れの補修方法は、ひびの幅や深さ、入った場所、範囲などによって適した補修方法が異なります。
まずは専門家の診断を受けるようにしましょう。
志賀塗装でも、ひびの補修のご相談に応じていますので、お気軽にお問い合わせください。