2023年の外壁塗装の費用相場|適正価格はいくら?
近年さまざまな商品・製品価格が値上がりしており、塗料もその例外ではありません。
そのため外壁塗装を検討する際、「塗装費用も値上がりしているのかな」「いくらぐらいかかるのだろう」と気になっている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、2023年の外壁塗装の最新相場を、内訳も含めてご紹介します。
塗装費用が高いときに考えられる理由も解説しますので、参考にしてみてくださいね。
目次
1.外壁塗装費用の内訳
外壁塗装には、塗料代や塗装工事費を主としてさまざまな費用がかかります。
ここでは費用の内訳や相場などを紹介します。
塗料代の費用相場
塗料には複数の種類があり、基本的には耐用年数によってグレードが分かれます。
耐用年数が短い塗料ほど施工単価は安いため、工事費を抑えられます。
しかしその分塗り替えの回数が多くなり、結果的に高くなってしまいがちです。
塗料を選ぶときには、外壁の種類や耐用年数も考慮しながら、長期的な視野に立って検討しましょう。
外壁塗装の坪数別価格表
外壁塗装にかかる費用は、主に塗料のグレードと塗装面積によって決まります。
延坪数に1.2をかけたものが外壁塗装の面積とされ、平均的な費用相場は以下のとおりです。
工事単価(施工代)
外壁塗装の価格には、次のような費用も含まれます。
内容 | 費用相場 |
高圧洗浄 (塗装前に外壁を高圧洗浄する費用) | 100~300円/㎡ |
養生 (塗装する箇所以外に塗料が付着しないよう、ビニールなどでカバーする費用) | 250~400円/㎡ |
飛散防止ネット (塗料が飛散しないように、ネットで覆う費用) | 100~200円/㎡ |
現場管理費 (塗装工事の工程や品質を管理する費用) | 1式 30,000~50,000円 |
廃材処理費等 (塗料の缶やシーリング、養生シートなどの処分にかかる費用) | 1式 10,000~30,000円 |
塗装工の労務単価 ※令和5年 (塗装職人に支払う人工費) | 28,800円(福島県) |
労務単価とは、塗装職人の所定労働時間内8時間あたりの賃金日額です。
主に公共工事を行う際の計算に使われる単価で、農林水産省と国土交通省によって毎年改訂されます。
見積額が人件費×施工日数を下回る場合、労務単価が削られていると考えられます。
基本的に材料費や工事費は安く抑えることが難しく、真っ先に削られるのは人件費であるためです。
工事費が安いのは、お客様にはうれしいことかもしれません。
しかし人件費を安く抑えると、腕のいい職人を集めるのは難しくなります。
工事費が安くても、「安かろう、悪かろう」な仕上がりになっては本末転倒です。
満足いく塗装工事を行うためには、労務単価がきちんと確保された適正価格の見積もりになっているかを確認するようにしてくださいね。
足場代
2階や3階など高所にある外壁を塗装するには、家の周りに足場を組む必要があります。
足場の設置は塗装工事の品質を保ち、職人の安全を確保するために必要不可欠なものです。
足場代は、足場の面積に単価を掛けて計算します。
足場の単価は700~1,000円/㎡程度が相場で、一般的な30坪ほどの戸建であれば、15万~20万円ほどが目安です。
その他・運搬費など
外壁塗装には、ほかにも資材の運搬費や諸経費一式として、1万~3万円程度見積もられているのが一般的です。
2.外壁塗装費用が高くなる理由
「外壁塗装の見積もりを取ってみたら、思ったよりも高かった」というときには、どのような理由があるのかを確認しましょう。
考えられる主な理由は7つあります。
塗料のグレードや値上がり
「塗料代の費用相場」で紹介したとおり、塗料はグレードにより費用が異なります。
使用されている塗料のグレードを確認し、予算を大幅に超える場合は長期的コストも視野に入れつつグレードを下げるかどうかを検討しましょう。
なお、近年は塗料の値上がりが相次いでいるため、塗装工事の費用に影響を与えつつあるといわれています。
ただし塗装費用全体のなかで、塗料にかかるコストは限定的なので、必ずしも塗料の値上がりだけが塗装費用に影響しているとは限りません。
「相場よりも費用が高いのでは?」と気になる場合は、営業担当に率直に確認することをおすすめします。
近年塗料が値上がりしているのには、3つの理由があります。
1つ目はコロナ2019やウクライナ情勢の影響による、塗料の原材料の原産や貨物便の減数による供給不足です。
2つ目は塗料の材料となる原油価格の高騰と、輸送コストの増大です。
日本は原材料の多くを輸入に頼っているため、海外情勢や原油価格の影響は避けられません。
さらに3つ目の理由として、急激に進んだ円安が、原材料の輸入価格をさらに押し上げました。
これらを受け、近年主要塗料メーカーは、15%程度の値上げに踏み切っています。
外壁塗装を迷われている方は、塗装会社に早めに相談してみましょう。
外壁材の種類
外壁塗装は、塗装する外壁材の種類によっても費用に差が出ます。
たとえば外壁の種類がサイディングやALCの場合には、塗装とあわせて目地のメンテナンスが必要になり、その分コストがかかり塗装費用が高くなりがちです。
一方、外壁がモルタルであれば、目地処理は不要なので費用は安くなります。
建物の広さ・階数
外壁塗装の費用は塗装面積に比例するため、建物が広くなればなるほど塗装価格は高くなります。
また、階数が高くなれば、それだけ足場も高く設置しなければなりません。
工事規模が大きくなればそれだけ日数も延びるので、人件費もかさんでしまうでしょう。
雨どいや戸袋などの付帯塗装
雨どいや戸袋など、付帯部が多い場合も塗装費用は高くなります。
一般的に洋風の家に比べると、和風の家のほうが戸袋や雨どいなどが多いため、割高になりがちです。
また、建物の形状が複雑になればそれだけ凹凸や付帯部が増え、塗装面積も多くなるので塗装費用に影響を及ぼします。
色の種類
外壁塗装は1~2色に抑えるのが一般的ですが、なかには3色、4色使いたい人もいるでしょう。
使う色の種類が多くなると、塗料代はもちろん塗り分けが必要になるので手間がかかり、費用が高くなる傾向があります。
何色から追加費用が発生するかは業者によって違うため、複数色を使いたい場合はあらかじめ確認しておくとよいでしょう。
劣化状況
塗装する外壁が劣化している場合、そのまま塗装すると長持ちしないため、補修作業をおこないます。
劣化箇所が多かったり劣化の程度が重かったりすれば、補修に手間と時間がかかり、その分費用は高くなります。
補修費用を抑えるためには、外壁の劣化が進む前の再塗装が大切です。
施工業者
外壁塗装には「定価」がないので、施工業者によっても費用に大きく差が出るのが特徴です。
外壁塗装は、家を建てたハウスメーカーや工務店に相談する人が多いようです。
しかし基本的にハウスメーカーなどは、塗装については専門外なので下請けに出すケースがほとんどです。
そのため中間マージンが発生し、費用は高くなる傾向があります。
適正な費用で高品質の塗装工事をしたい場合は、地元の塗装専門業者に依頼するのがおすすめです。
3.まとめ
外壁塗装の価格は、塗料代のほかにも高圧洗浄や養生・飛散防止ネットの施工費、塗装工の工賃、足場代などさまざまな費用によって決まります。
また、建物の広さや外壁材の種類などの諸条件も価格に影響を与えます。
今回ご紹介した最新の外壁塗装の費用相場を参考に、想定よりも高い場合は塗装会社に理由を確認してみましょう。